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最小公倍数のちょっとした応用問題。やらせてみたがすぐにはわからなかった。どうも、少しひねってあるだけで思考停止してしまう模様。自分で考えて色々やってみる、ということ自体が身についていない。まあ、仕方ない。簡単な宿題をこなしてきただけだから。学校のテストも考えさせるような問題はほとんど出ないようだ。
さて、その問題がこちら。
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【問題】 6で割ると5余り、7で割ると6余り、8で割ると7余る数の中で、一番小さい数を求めなさい。
『小学高学年 自由自在問題集 算数』(受験研究社) より。
子供の様子を見ていると、どうも割り切れない数を割り切れない数に置き換えるという発想が出てこないようだ。下のように解説した。
【解説】
余りの出る数、つまり割り切れない数というのをいきなり求めようとしてもそれは難しいね。
だから、余りの出る数を、余りの出ない数=割り切れる数、に置き換えることができないか、考えてみよう。
・6で割ると5余る数というのは、あと1足せば6で割り切れる数になる
・7で割ると6余る数というのは、あと1足せば7で割り切れる数になる
・8で割ると7余る数というのは、あと1足せば8で割り切れる数になる
ということは、
まず、6でも7でも8でも割り切れる数で、
一番小さい数を出す。
そこから1を引けば、答えになる。
さて、6でも7でも8でも割り切れる数の中で一番小さい数というのは、6と7と8の最小公倍数のことだね。
6と7と8の最小公倍数を出してみよう。
(学校では最小公倍数を求める計算については学習していない。書き出して確認するという方法のみ。いずれ教えるつもりだが、今は書き出す方法でやらせる。 )
一番大きい数である8の倍数を書き出して、6.7の倍数かどうか確認しよう。
※ ○は倍数、×は倍数ではない。
8×1=8 (6× 7×)
8×2=16 (6× 7×)
8×3=24 (6○ 7×)
8×4=32 (6× 7×)
8×5=40 (6× 7×)
8×6=48 (6○ 7×)
8×7=56 (6× 7○)
8×8=64 (6× 7×)
8×9=72 (6○ 7×)
8×10=80 (6× 7×)
8×11=88 (6× 7×)
8×12=96 (6○ 7×)
8×13=104 (6× 7×)
8×14=112 (6× 7○)
8×15=120 (6○ 7×)
8×16=128 (6× 7×)
8×17=136 (6× 7×)
8×18=144 (6○ 7×)
8×19=152 (6× 7×)
8×20=160 (6× 7×)
8×21=168 (6○ 7○)
すると、最小公倍数は168。
ここから1を引くと求める数になる
168-1=167
答え.167
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求める答えに直接手が届かない時にどうするか。一段、遠回りして求めやすいものに変えてから計算する、という方法は、子供の中にはまだないようだ。
しかし、解説すれば問題なく理解はできる。
・6で割ると5余る数というのは、あと1足せば6で割り切れる数になる
という説明をしているあたりで、「あっ」という反応がある。
しかし、最初からひらめく、ということはない。
要は、何度もこういうものに遭遇して、慣れていくということしかないようだが、自分自身で、どういう道筋で答えに向かうべきかをよく考えたり試したりする姿勢の方が大事だろうな、と思う。一朝一夕には行かないだろうが。